マーチン、ギブソン、テイラー。この3つでアコギ3大メーカーなどと言われます。
そこできて、“Larrivee”(ラリビー)という名前のメーカーですが、3大メーカーではないかもしれませんが、マーチンやギブソンを所有しておられる方ならば間違いなく一度は耳にしたことがあるギターなのではないでしょうか。また、ミスチルの桜井さんが使用していることでも有名ですね。
しかし、名前を聞いたことがあっても見たことはない、弾いたことはない、特に私のような地方在住者の方々の中にはそんな方もいらっしゃるでしょう。私もそうでした。
そこで今回はLarriveeギターの音についてレビューしていこうと思います。
サウンド
もういきなり本題ですがここがもっとも重要です。
Youtubeなどのサウンドレビューはどうしてもエフェクトや周りの雑音が気になってしまうことが多いですよね。以下が録音条件です。
仕様ギター:Larrivee L-10 (2014年式)
弦 :エリクサーカスタムライトフォスファーブロンズ
マイク :Shure MV88 エフェクトは一切なしです。
芯のあるはっきりとした音の中に、豊かな倍音成分が含まれており、とても複雑で美しい音色だとわかります。
私もギター道楽が過ぎまして、これまで多くのギター購入しては手放してきてまいりましたが、生音に関しては抜群だと思います。
基本スペック
名称:Larrivee L-10 Rosewood Deluxe
トップ板:シトカスプルース
サイドバック:インディアンローズウッド
指板・ブリッジ:エボニー


ラリビーは木材の卸も行っているようで、トップ板はものすごく目の詰まった美しいスプルースが用いられています。サイドバックも、「本当にこれはインディアンローズウッドか!?」というぐらいワイルドな杢目ですよね。杢目フェチの私にはたまらないです。

ペグはシャーラー製のものにラリビーのロゴマークで高級感があります。
ペグボタンは最初はシルバーだったのですが、なんとなく野暮ったかったので、黒のエボニーに付け替えております。

指板とブリッジには美しいインレイワークも入っています。

Larriveeの特徴
ラリビー歴史
ラリビー学部という学問があるならば、博士論文級の個人サイトがありますので、調べてみてください。感動して一晩ずっと読んでました。
ざっと言うなら、1990年代までがカナダ製、2001年以降はアメリカ製のようです。
カナダ製とアメリカ製か別ギターだ、というほどにカナダ時代のギターは素晴らしいとおっしゃる方のブログや記事をよく目にします。
それでも私にとってはアメリカ製になっても十分素晴らしいです。
最近では輸入代理店が日本からなくなってしまっているようで、新品のラリビーを目にすることが難しくなってしまいました。こんなに素晴らしいギターなのになぜ??
ボディ形状
「Lボディ」と言われるラリビー独自のボディサイズです。
ドレッドノートとラウンドショルダーの間のようなイメージです。


どうでしょう。ラリビー独特のフォルムがありますよね。ドレッドノートともラウンドショルダーとも違う独特な曲線美が洗練された印象を与えます。
ブレーシング


上がラリビーのブレーシング、ノンスキャロップで、Xブレーシングの下の棒が直線になってますよね。
下が一般的なスキャロップトXブレーシング。Xの下の棒が斜めになっているのが見えると思います。
最近は材だけでなく、作りも音に大きな影響を与えると痛感しとります。材が音の方向性をつまりベクトルの向きを決めるとするならば、作りがその大きさを決めるといったイメージです。
これは良し悪しを論じるのではなく、そのギターの個性を作り上げていくものです。
そしてラリビーの場合、この左右対称のノンスキャロップトXブレーシングがぎゅっと凝縮されたような芯のある、低音域と高音域のバランスのとれた、美しいサウンドを作るのでしょう。
黒い布!?

これは余談になりますが、ラリビーのあまりの美しさに中をカメラで撮影していると、中に正体不明の黒い布が!!
これはサイド割れの修理があったに違いないと、店にクレーム。人生初クレームと言っても善いでしょう。
私:「修理歴があっても音が気にいっているので返品する気はありませんが、せめて購入前に教えていただきたかったです。」
お店:「この度は申し訳ありません。〇〇円分を返金ということで対応しますが、いかがでしょう。」
私:「わかりました。では、後日受け取り方法等連絡いたします。」
後日、、、、
お店:「調べましたところピックアップ付きのものも途中までは同じラインで作られているので、黒い布はピックアップ(サイドにプリアンプをつけるタイプ)を後で載せられるようにするためのもののようです。ですので、修理歴ではございませんが、私どもの説明不足でご心配をおかけしたことは事実ですので、〇〇円分は値引きということでかまいませんが、いかがでしょうか。」
私:「とんでもないです!!無知のくせにクレームを入れ大変申し訳ありません!!値引きはもちろん結構です。この度は素晴らしいギターをありがとうございました。」
こんなに恥ずかしかったことは小学校で先生を「お母さん」と呼んで以来でした、、、。素晴らしい対応に感謝しております。
これからラリビーを手にする皆さん、黒い布のようなものは修理歴ではありません。ご注意を、、、。
まとめ
ラリビーギター、確かにブランド力やリセールバリューといった点で、マーチンやギブソンに劣るのはいなめせん。
しかしながらサウンド面では他の高級ギターメーカーやルシアー物に匹敵する、いやそれ以上かもしれないほどに素晴らしい音を奏でてくれます。
誰が聞いてもきれいな、いわゆる「良い音」がします。
なかなか店頭でお目にかかることはないかもしれませんが、もし偶然出会うことができたならば、一度は手にとって弾いてみることを強くお勧めします。マーチンともギブソンとも違う「ラリビーサウンド」を奏でてくれるでしょう。
Larrivee、おススメです!!